温度の校正をする目的

計量法の大幅な改正がありました

日本には計量法という法律が存在します。しばらく前の話ですが、この法律の大幅な改定がありました。製造工程で使われる温度計については、 JCSSで温度の校正をされたものでなければならないということです。製造工程といっても、それにはさまざまな職種があります。例えば食品の製造会社が、食品を加工製造するときに使われる温度計があります。それらの食品は人間が直接食べてしまうのですから、安全管理には相当な神経を使います。そのぶん食品会社に対する安全管理対策に対する要求が多くなっているということになります。食品会社などでは温度管理は極めて重要な品質管理の分野となってしまっています。

品質管理といえば、昔はTQCトータルクオリティコントロール品質管理システムが日本の品質管理システムの中心をなしていました。今ではそれがスイスのジュネーブに本部があるIOS国際標準化機構が提唱する品質管理の手法に取って代わられています。JCSSの温度校正もIOS国際標準化機構が提唱する品質管理の手法にしたがっています。ISO国際標準化機構が一番重視するのがトレーサビリティーです。トレーサビリティーとは、製品が製造された時点にさかのぼってその製品の品質が確認されるような仕組みです。そのためには食品会社などでも、食品の製造工程において、さまざまな工程におけるデータの蓄積が求められます。それはとりもなおさず、人々の安全性を最優先に考えているからに他なりません。

国家標準器のように頻度が定められることも予想される

食品工場などでは製造される食品が直接人の口に入ってしまいます。そのために温度管理が極めて厳重になされるということになります。計量法の改定でも、人々の安全性を最優先にするという考えが取り入れられてきています。食品工場で製品の製造工程で使われるような温度計は定期的に JCSS校正を受けなければなりません。現時点ではその頻度については明確に示されていません。 JCSS校正をするときには、国家が保有する標準器と対比して温度計の校正がなされますので、国家が保有する標準器についてだけは1年に1回の校正をしなければならないと決められています。しかしながら食品製造工場などで一般的に使われている温度計については、ひとたびJCSS校正を受けてしまえば、その温度計は末永く使用できるということになります。そのうちに国家標準器のように頻度が定められることも予想されます。法律が厳しく前なる前に、今のうちにJCSS校正を受けておくのも一つの手段ではないでしょうか。